こんにちは。ちゃぼP(@chabo0429)です。
今日は俺が福井に来て、ヒーローにあった話をしようと思います。
昨日はお昼にハンバーガーを食べようと思いまして、近所のエルパ(ショッピングモール)に入っているモスバーガーに行って、テイクアウトすることにしました。
昨日の福井は台風の影響で一日中生暖かい風が吹き、雨が止んだかと思えば途端に真っ黒な雲がやってきて、大粒の雨が叩きつけるような天気でしたが、エルパは日曜日ということもあって駐車場はいっぱいでした。
運良く空きスペースを見つけて、素早くモスバーガー店内へ。幸いレジ待ちのお客さんは居らずに直ぐに注文。
支払いを済ませて、出来上がるまで入口付近の椅子に座って待っていると、何やら怪しい人がワタシ目掛けてやってくるではありませんか!
サッと身構えるワタシ。すると、全身真っ赤なコスチュームに身をまとった「彼」が優しくワタシに話しかけます。
「スミマセン、お客様。ワタシはビンゴマンですが、先程レジでお受け取りになったビンゴカードにサービスで一つスタンプを押して差し上げますので、好きなものを選んでいただけますでしょうか・・・」
は?なにそれ?
ビンゴマン?ビンゴカード?
あ、これか。ビンゴカード。
ふむふむ、北陸限定なのか。
ここはクールに「そんな子供じみた遊びに付き合ってられるか!」とビンゴカードを破り捨てて立ち去ることも出来た。だが・・・そんな無粋な真似は大人のすることじゃない。
周りには子どもたちもたくさんいるのだ。ここは大人の責任として、子どもたちの夢を壊すようなことをしちゃいけない。しかも目の前のビンゴマンはメチャメチャ腰が低くていい人そうだ。俺がここで罵声を浴びせたら、彼の心がBroken Heartしてしまう。そんな薄情な根性は俺は持ち合わせてないんだ!
だから、俺は彼に言ってやったよ。
「じゃ、じゃあ、、モスチキンを・・・お願いします・・・」
彼は嬉しそうに「ありがとうございます!」と明るく言って「モスチキン」にスタンプを押してくれ、深くお辞儀をして、颯爽と立ち去った。
そうこうしているうちに、オーダーしたハンバーガーが出来上がってきたので、ワタシはそれを手に店を出ようとした。だが、なんとなく後ろ髪惹かれるものが。
目の前には別のファミリーに話しかけているビンゴマンの姿が。きっと彼はいつもは普通に接客しているごく普通の青年なのだろうが、慣れない仕事を一生懸命やっている。みんながお休みの日曜日にたった一人でその大役を一身に背負ってお仕事をしている。
ワタシは少し彼に同情した。ああ、薄情にはなれなかったよ。
ビンゴマンよ、写真を撮らせてくれないか
「ビンゴマン、君の写真を一枚撮らせてくれないか」
彼にそう問いかけたんだ。
俺がiPhoneを構えると、彼は快くポーズを取ってくれたよ。
やっぱり良いやつだ。彼の名はビンゴマン。子供たちを喜ばすために日夜戦っている正義の騎士なんだ。
ありがとう、これからも子どもたちの夢を守ってやってくれ。モスバーガーは君がいれば安泰だ。
ワタシは礼を言って店を出た。
駐車場に出るとさっきまで叩きつけるように降っていた雨はウソのようにすっかり上がっていた。
日曜日の昼下がり、ちょっと得した気分で、私はハンドルを握って普段通り慣れた道を家まで走らせた。
途中まで来たところで、また大粒の雨が降ってきた。遠くの空を見ると、黒い雲が垂れ込めた空の向こう側には、明るい晴れ間がのぞいている。
ビンゴマンよ、俺はまた来るぜ。君が俺を忘れても、俺は君を忘れない。そんな思いが雲の向こうに見え隠れした。
ただ、心残りが一つある。
真っ赤なコスチュームに身をまとった君に写真撮影をお願いした俺は40すぎのオッサンで、周りは子供連れのファミリーばかり。
「メッチャ恥ずかしいじゃねえかよ!!!」