【連載】MacBook 12インチの運命(終)〜Anker PowerCore+ 20100 vs RAVPower 20100mAh

Anker PowerCore+ 20100。

MacBook 12インチにエネルギーを供給するモバイルバッテリーとして、その存在は絶対的なはずだった。

全ては、MacBook 12インチのために

MacBook 12インチは本当に素晴らしいモバイルコンピューターだ。

美しい画面も、薄型のキーボードも、スタイリッシュなフォルムも、何もかもが美しさに溢れ、かつ機能的。

何よりこのサイズ感は絶妙で、ちょっと腰を下ろすベンチさえあれば、コイツを膝の上に乗せて使うことができるし、モバイルルーターがあれば、どこにいたってインターネットにつながる。

 

本当に文字通り相棒のような存在のスペースグレイのMacBook 12インチ。

そんな大事な存在だから、いつでもどんな時でもバッテリーを気にしなくても済むように、モバイルバッテリーには拘ってきたつもりだ。

PowerCore+2010010

PowerCore+2010009

精悍な容姿を持ったこのバッテリーは、3A充電というハイパワーな出力を保ちながら、我が愛機をしっかり充電し続けることができる。

【連載】MacBook 12インチの運命(4)〜Anker PowerCore+20100が衝撃の事実を告げる

 

ところが運命のいたずらというものは、実に気まぐれに訪れるものである。

同じ容量、3A充電可能でありながら、バッテリーを急速充電できるQuickCharge機能がつき、しかも100g近くも軽量なバッテリーが忽然と目の前に現れたのだ。

【連載】MacBook 12インチの運命(5)〜徹底比較!Ankerにライバル出現!RAVPower モバイルバッテリー 20100mAh

このバッテリー、一般的なUSBポートも二つ搭載されているが、何と3Aで充電可能なポートは「USB-C」のみ。

私は、「ひらくPCバッグmini」に高耐久ナイロンのUSB-Cケーブルが入っていることをふと思い出した。

【連載】MacBook 12インチの運命(1)〜Aukey USB-Cケーブルが扉を開ける

そうだ。この連載の第一回でレビューしたAukeyのケーブル。これがあれば、USB-C同士の充電だって簡単なのだ。

Charge_MobileBattery07

Charge_MobileBattery08

私は、この端子の一方を、MacBook 12インチのUSB-Cポートに差し込み、MacBookの電池残量が減るのを静かに待ったのだった。

王者の貫禄

東の空が明るくなり始めた頃、MacBookの電池残量は5%を指し示した。

私は、繋がれずにそのままになっていたUSB-Cケーブルのもう一端をAnker PowerCore+ 20100に繋いだ。

Charge_MobileBattery09

今回充電の環境をできるだけ同じにするために、私が常用しているアプリをいくつか立ち上げたままで、充電の速度を確かめることにした。

起動した主なアプリは、

  • Chrome(タブを3枚、うち1枚はGoogle Analytics)
  • メール
  • Messenger
  • LINE
  • Tweetbot
  • アクティビティモニター

の6つ。省電力設定は解除し、スクリーンセーバーはオフ。画面もスリープに入らないように、常時点灯の状態に設定してある。

しばらくすると、MacBookの画面に表示されたアクティビティモニターが充電を検知すると同時に、満充電までの残り時間を表示した。

ActivityMonitor01

満充電まで7時間21分。バッテリーを消費しながらの充電だから、このバッテリーのみでは満充電まではできないことはわかっている。

Charge_MobileBattery03

私はストップウォッチを起動して、このままひたすらバッテリーからMacBookへエネルギーがすっかり注ぎ込まれるのを待った。

 

数時間後。

バッテリーの残量LEDが一つになり、間もなく点滅に変わる。

その瞬間のアクティビティログはこのような状態を示していた。

ActivityMonitor02

充電残量は76%である。5%から76%まで充電できたということは、実質71%分の充電が行われたことになる。

そして、

Charge_MobileBattery04

それにかかった時間は4時間16分。すでに窓の外の太陽は、山の稜線を大きく超えていた。

4時間とちょっとの時間で約70%の充電。半ば予想できていたが、これは大きな金字塔だ。

モバイルバッテリーの王者のプライドである。

挑戦者、全力の戦い

リングの反対側から現れた挑戦者。そのバッテリーの名は「RAVPower モバイルバッテリー 20100mAh」と言った。

日を改めて、同じようにMacBookに繋いだケーブルを、電池残量5%の状態で今度はRAVPower モバイルバッテリー 20100mAhに繋いだ。

Charge_MobileBattery10

前回と同じく、アプリを起動して、充電を開始。アクティビティモニターにはこんな数字が表示されていた。

ActivityMonitor05

満充電までの時間は6時間15分。なんと先ほどの時間よりも1時間以上も短い

Charge_MobileBattery01

ストップウィッチをスタートさせてはみたものの、その数字に半信半疑になりながら、私は静かに「その時」を待った。

今日の福井の窓の外は梅雨時期らしい雨にがシトシト降っていた。

 

数時間後。

バッテリーのLEDが点滅を始めた。

ActivityMonitor03

なんと、80%まで充電できている!

私はストップウォッチを急いで停止させて、表示を見た。

Charge_MobileBattery02

3時間53分。驚きだった。

Ankerの時は4時間16分であったものが、RAVPowerだと3時間53分である。約20分の時間短縮である。

ちなみにアクティビティモニターを並べてみると、

ActivityMonitor04

上がAnker PowerCore+20100の充電状態を示すグラフ。わずかではあるが、途中から終盤にかけて出力が徐々に弱くなってゆくのがわかる。

一方のRAVPower モバイルバッテリー 20100mAhの方がというと、

ActivityMonitor06

このように、途中から出力が弱くなることは全くなく、安定して高出力を維持できているのがわかるだろう。

つまり、この検証によって、

  • 充電容量はMacBookのバッテリーの約4%ぶん、RAVPowerの方が多い
  • 充電速度は約20分、RAVPowerの方が多い
  • 重量は約100g、RAVPowerの方が軽い

ということが判明したのだ!

ただし、これらはあくまで私の充電環境下で行われた結果であり、条件によっては差が出る可能性がある。できる限り同じ条件を意識して行った検証結果ではあるが、公称値ではないということをお含み置きいただきたい。

終章

二つのモバイルバッテリー。それらは死力を尽くして戦い、そのパワーをMacBookへ注ぎ込み、今私の眼の前に文字どおり「抜け殻」のようになって眠っている。

モバイルバッテリーの王者Anker。その製品品質はいうまでもなく良好で、最近では家電分野にも進出してきたメーカーである。

だが、モバイルバッテリーは実に多くのメーカーから発売されており、徐々にではあるがMacBook 12インチを充電可能な製品も出始めてきている。

私は今回、RAVPowerというメーカーの製品を実際に使い、しばらくこちらをメインで使って行くことに決めた。

能力もさることながら、軽量なのはやはり素晴らしいことだ。

MacBookの熱い対決はこれで一旦終了となるが、これからもひらくPCバッグminiにAnkerやRAVPowerを入れながら様々な場所で充電を行い、使い勝手やそのパフォーマンスについて、レポートをお届けするつもりだ。

 

気がつくと、先ほどまで降っていた雨はいつの間にか上がっている。

これから福井も暑くなる。

夏本番を前に、熱い戦いを一足先に見せてくれた、勇者二人の記念写真をお届けしてこの連載を完結したい。

そして期待してくれた読者のみなさん、ここまで読んでくれて本当にありがとう。

 

Charge_MobileBattery06

RAVPower モバイルバッテリー 20100mAh

 

Anker PowerCore+ 20100 USB-C

【連載】MacBook 12インチの運命(5)〜徹底比較!Ankerにライバル出現!RAVPower モバイルバッテリー 20100mAh

私は、何の迷いもなく、Anker PowerCore+ 20100をひらくPCバッグminiに入れて持ち歩いていた。

【連載】MacBook 12インチの運命(4)〜Anker PowerCore+20100が衝撃の事実を告げる

何もかもが快適だった。

喫茶店のテーブルの上、公園のベンチ、仕事で訪れた駅のホームで。

ひらくPCバッグminiを開けば、愛用のMacBook 12インチとサイドのポケットにモバイルルーター、そしてAnker PowerCore+ 20100が顔を出す。いつでもどこでもパソコンが使え、ネットに繋がり、バッテリーの心配もない。

こんな理想的な環境で、私はすっかり気分を良くしていた。

 

そんなある日。

何気なくAmazonのウェッブサイトを眺めていると、見たことのないモバイルバッテリーを見つけた。

 

そのメーカーの名前は「RAVPower」。なんでもUSB-Cポートを備え、3A充電が可能で、おまけにQuickCharge3.0という、最新の急速充電機構を搭載しているという製品のようだった。

私の持っているAnker PowerCore+ 20100、これも容量やUSB-Cポート、3A充電は同じだ。

だが、QuickChargeには対応していない。MacBookへの充電は5V3A(15W)で変わらないと思われる。しかし、モバイルバッテリー自体への充電も通常の5V3Aで行われるから、フル充電までにある程度の時間がかかるのだ。

これがQuickCharge3.0対応になったら、どのくらいの違いがあるのだろう。

ここでまた私の中の「ワルイ虫」が騒ぎ始めた。こうなるともう自分でも手がつけられない。自分の目で確かめずには居られなくなるのだ。

ライバルの来訪

数日後。RAVPower モバイルバッテリー 20100mAhが手元に届いていた。

RAVPOWER06

ブルーが基調のAnkerとは異なり、ライムグリーン基調のパッケージで届いたそれは、驚くほど軽かった。

 

RAVPOWER04

パッケージには「POWER YOUR LIFE」という文字が記載されている。まるで自動車メーカーのキャッチフレーズのようだ。

この文字のように、この箱の中身は私の生活にチカラを与えてくれるのだろうか。

 

RAVPOWER07

今回のモデルは、「TURBO+」というシリーズのようだ。

 

RAVPOWER01

中を開けると、板状のバッテリーが顔を覗かせる。バッテリー本体の下に、充電用のMicroUSBケーブルが2本と、メッシュ状のポーチが収まっていた。

本体外観

RAVPOWER05

本体の外観は、Ankerのアルミ製とは異なり、樹脂製。表面に「RAV POWER」の刻印が打ってある。

 

RAVPOWER02

本体の隅に、バッテリーの電源スイッチとバッテリー残量を示すインジケーターが備わっていた。

Ankerのバッテリーはリング状のスイッチで、インジケーターも10段階だったが、これは4段階だ。

 

RAVPOWER03

ポート類は全て上部に集中して配置される。左から、バッテリー充電用MicroUSBポート、バッテリー充電・給電用USB-Cポート、給電用QuickCharge2.0/3.0 USBポート、5V2.4A給電用USBポートだ。

バッテリー自体を急速充電するには、一番左のポートにMicroUSBケーブルを挿し、QuickCharge対応のACアダプタに繋げばOK。

 

RAVPOWER14

本体裏面に、充電・給電モードの上限値がそれぞれポート別に記載されている。

QCと書かれている部分が、QuickChargeに対応している部分で、最大12Vでの出力・入力が可能となっている。

QuickChargeに対応しているAndroidスマホなどを所有している場合は、かなりのスピードで充電が可能である。

Anker PowerCore+ 20100との外観比較

さあ、いよいよAnkerモバイルバッテリーとの比較をしてゆく。まずはサイズから。

RAVPOWER10

重ねた状態で真上から撮影してみた。

横幅はAnkerの方が細く、RAVPowerの方が太い。逆に長さがAnkerの方が長いのが見て取れる。

 

RAVPOWER11

横から眺めると、Ankerの方が分厚い形状になっている。この形状の違いは、のちに意外なところで影響が出てくる部分になる。

重量比較

さて、大きさについては、形状の差が若干ある程度であったが、重さはどうであろう。

RAVPOWER08

Anker PowerCore+ 20100の重量は、実に468g!

約500gの重量とは、改めてみるとかなり重たいものだと気づかされる。普段持ち歩く開くPCバッグが優秀なのと、MacBook 12インチも軽量であることから、それほどの重さは感じられないが。

続いて、RAVPower モバイルバッテリー 20100mAhの方を計量してみると・・・

 

RAVPOWER09

なんと373g!!

実にその差「95g」である。これで本当に同じ容量なのであろうか。

少し心配になる程、差がある。普段持ち歩く荷物は軽いほうがいいに決まっているので、同じ容量、性能ならどちらを持ち歩くかは、この時点で既に自明のような気もするが。

ひらくPCバッグminiに収納してみた

実はこれが一番気になるところで、普段レギュラーバッグとして毎日持ち歩くひらくPCバッグminiには、モバイルバッテリー用のサイドポケットがある。

ここにこのバッテリーがきちんと収まるのか。そして収まり具合はどうなのか。

実際に入れて試してみた。

RAVPOWER12

これがAnker PowerCore+ 20100の収納時の写真だ。ポケットにはだいぶ余裕があり、かなり上方にバッテリーが飛び出している。元々ここのポケットは、このバッテリーの半分ほどの長さのものを入れるのにちょうどよく作られているので、これは仕方のないことだが、上部がファスナーに引っかかったり、バッグの型崩れを誘発することはないので、問題なく収納可能だ。

ただ、このポケットのサイズよりもだいぶバッテリーが細いため、ポケットの中で遊びが生じ、バッテリーが倒れてきたりすることがある。これはちょっと気になる点だ。

そして、RAVPower。こちらを入れてみると・・・

 

RAVPOWER13

サイドポケットのサイズにピッタリである!

ファスナーに引っかかるように見えるが、実際にフラップを閉めると全く問題なく収納できた。しかも実際にMacBookを充電する時は、このバッテリー上部にケーブルを挿すことになるので、高さの低いRAVPowerの方が使い勝手は良いのだ。

次回予告

MacBook 12インチの相棒として、無敵と思われていたAnker PowerCore +20100に強力なライバルが現れた。

事実、このRAVPowerは重さ、QuickCharge、ひらくPCバッグとの相性など、Ankerに勝っているように思われる。

この決着は、実際にMacBookを充電してみて、その性能にどのくらいの差があるのかを確かめてみなくてはつけることができない。

次回は、この2つの20100mAhのバッテリーのガチンコ充電対決の模様をお届けする。

現時点で、ちゃぼPもその勝敗の行方は知らない。

その雌雄を決する戦いは、数日後に明らかとなることだろう。

ついにその頂上決戦は火ぶたを切る。期待して結果を待て!

【連載】MacBook 12インチの運命(4)〜Anker PowerCore+20100が衝撃の事実を告げる

生きていれば、毎日が新しい日々の連続である。

 

MacBook 12インチを手にしてから半年近く。

私はほぼ毎日この優れたパソコンを使ってブログを書いている。

 

その日起こったことや手元に届く様々なガジェットのレビュー、新製品や新サービスの情報、そしておよそ役に立たないようなつぶやきに近い雑記たち。

それらの中には駄作も多いが、私にとっては紛れもなく新しく生み出されたものであった。

 

この半年間、私はこのMacBookの画面と対峙をしながら、拙い文章を書き綴ってきて、一つの結論に達したことがある。

それは・・・

 

「MacBook 12インチは私にとって最高の相棒だ」

 

ということだ。

何が最高か、という点に於いては細かくはここでは触れない。

これまで折に触れそのことについて書いてきたし、この機体が持つポテンシャルは、とにかく私の普段の使い方の中ではとにかくベストであるということなのだ。

 

そしてこの連載では、モバイルマシーンとしての避けては通れない、電源レスの外出先で如何にしてこのマシーンを使い続けるか。つまり「バッテリーを如何にして長持ちさせることができるか」ということに焦点を当ててきた。

前回の連載第3回では、「Anker PowerCore+ 13400」がサイズ感、重量感、性能ともに非常にバランスに優れ、十分に外出先での非常電源として威力を発揮することを実証することができたと思っている。

【連載】MacBook 12インチの運命(3)〜Anker PowerCore+13400は凄い奴だった

だが、物語には続きがある。

連載初回の終わりにひっそりと届いていた、一通のメールが、その扉を開けることになる。

「Anker PoweCore+ 20100」〜満を持して〜

PowerCore+2010008

それは来るべきして来た。

Amazonからのタイムセールの知らせ。これはもう逃げることができなかった。

横長の大きめの本体と、USB-CケーブルとMicroUSBケーブル。

これが「Anker PowerCore+ 20100」の全容だ。

PowerCore+2010009

PowerCore+13400と同様、10個のLEDによるバッテリーインジケーター搭載。

こればボタンを兼ねているが、これは後にこのバッテリーの重要な役割を担うことになる。

PowerCore+2010010

そして、通常のUSBポートの隣に、USB-Cポートが存在する。

これは、バッテリー本体の充電用、そして、ここに接続されるMacBookへの給電用ポートを兼ねている。

 

私は、期待に胸を膨らませ、ゆっくりとケーブルをここに繋ぎ、検証の準備を始めた。

USB-A →USB-C 充電開始

 

PowerCore+2010011

バッテリー残量LEDは10個点灯。もちろんフル充電の状態だ。

PowerCore+2010002

ストップウォッチで計時を開始する。

PowerCore+20100_charge01

MacBookの電池残量は前回と同じ5%で開始。

起動しているアプリ等出来るだけ条件を同じにしてある。

ここで充電完了までの時間は6時間25分と出ている。

PowerCore+13400の時は、7時間37分だった。この時点で約1時間以上の時間短縮となっている。

そして・・・

PowerCore+2010001

出力アンペアは2.86A

3A充電の開始だ!

念願の3A充電がここに火蓋を切ったのだ!

充電完了

PowerCore+2010003

PowerCore+ 20100のバッテリーが尽きた時、4時間20分の時間が経過していた。

PowerCore+2010004

充電総容量は12,360mAh

PowerCore+ 13400の時は、8,048mAh。実に4,000mAh以上の実容量増である。

そして、MacBookの方はというと、

PowerCore+20100_charge02

なんと81%。81%まで回復したのだ。

PoweCore+ 13400の時はというと、

PowerCore_Charge13

43%だった。右側のグラフに注目してほしい。

明らかにPoweCore+ 20100の方が急な上昇曲線を描いているのがわかる。

つまりこれが「3A充電」の威力だ。

USB-C →USB-C 充電開始

PowerCore+2010006

今度は、USB-C – USB-Cケーブルを繋いでみる。

この時、注意しなければならないのは、ケーブルを接続する前に、LEDの光るボタンを押して電源を入れてから、ケーブルを挿すということ。

そうしないと、MacBookから電流が逆流してしまうのだ。

PowerCore+2010005

ストップウォッチで計時開始。

PowerCore+20100_charge03

充電完了までの時間は、5時間49分となっている。

充電完了

PowerCore+2010007

バッテリーが空になるまで、USB-Aケーブルを使うより、約5分ほど早かった

PowerCore+20100_charge04

MacBookのバッテリーは80%まで回復

実はこの時若干PCの負荷が高く、先ほどよりバッテリーを消費しながら使用したので、単純に比較はできないが、充電完了までの時間に5分の差が出たことを考えると、若干ではあるが、「USB-C→USB-C」の方が充電効率は良かったものと思われる。

これが3A充電の実力だ!

この3機種のバッテリーの検証結果を以下の表にまとめてみた。

[table id=9 /]

この結果をどう捉えるかは、皆さんにお任せしたいが、間違い無く、MacBook 12インチをモバイルバッテリーで使う際は、このPowerCore+ 20100に大きなアドバンテージがあることがわかる。

次回予告

さあ、これで環境は整った。

俺には、実はもうひとつ、考えていることがある。

それは・・・

 

いやいや、それはまだ胸にしまっておこう。

次回はおそらく最終回となるこの連載シリーズは、最高のコラボレーションで幕を閉じるだろう。

どうか楽しみに待っていてくれ!!

【連載】MacBook 12インチの運命(3)〜Anker PowerCore+13400は凄い奴だった

前回は、「Anker PowerCore 10400」で検証を行った。

【連載】MacBook 12インチの運命(2)〜PowerCore 10400の開いた道

 

だが、私はずっと、気にしていたんだ。

だって、奴はほとんどPowerCore 10400と同じサイズなのに、容量が3000mAhも多くなっているんだから。

それは「PowerCore+ 13400」という名前で鮮烈デビューを飾っていた。

 

名前も「PowerCore」から「PowerCore+」へとグレードアップしている。

よく見ると、「VoltageBoost」という、接続したケーブルの抵抗を検知して出力電圧を自動調整する機能が追加になっているようだった。

 

何個もモバイルバッテリーを持っていても仕方ない。

そう思っていたが、どうしてもこの新しい「PowerCore+ 13400」を欲しいものリストから削除できずにいた。

何度も削除しようと思ったのさ。それがおそらく正しい行動だ。

 

だが・・・

 

バッテリーのセルがパナソニック製となり、ほとんど同じサイズで容量アップ、しかも新しい機能が追加になって見た目も刷新されたバッテリーを、優柔不断な私の欲しいものリストから削除できる訳もなく・・・

第2章 アルミの精悍な顔立ちで、奴はやってきた

気づいたら、見慣れたアマゾンの箱が奴は私の家のリビングに届いていた。

【比較レビュー】Anker PowerCore+13400とPowerCore10400 どちらを持ち歩く?

俺は後悔なんかしてないさ。

見た目もカッコよくなって、こんなに小さいのに、13400mAhなんて信じられるかい?

 

先輩のPowerCore 10400に敬意を表して、ここはもう一度同じ条件で、我がMacBook 12インチを充電してみようじゃないか。

じゃなきゃフェアじゃないさ。

充電開始

MacBook 12インチの設定はそのままだ。

電池残量が同じように5%まで減ったところで、ケーブルを繋いだ。

PowerCore_Charge01

リング状の電池残量LEDは花火のように丸く白く光っている。

当然満充電状態だ。

USBケーブルをPowerCore+13400とMacBookへ。

そしてストップウォッチで計時を開始する。

 

PowerCore_Charge12

見ての通りだ。これが充電を開始して7分後のアクティビティーモニターだ。

充電完了までの時間は「7時間37分」と表示されている。

思い出して欲しい。下は前回のPowerCore 10400で充電を開始した時の同じ画面だ。

PowerCore_Charge10

おさらいだが、同じ条件の時、PowerCore 10400の時は、充電完了まで「14時間23分」かかると出ていた。

つまり、新しいPowerCore+ 13400は、PowerCore 10400の約半分の時間でフル充電が可能ということ。

バッテリー容量の問題があるので、7時間経過する前にバッテリーが尽きてしまうけれど、これは出力は約2倍になっているということを意味している。

 

私は狂喜乱舞した。

ここまでの性能の違いを見せつけられるとは・・・

どれくらいまでMacBookの電池は回復するのか。

そして、そのスピードは、、、

 

私はひたすら待った。

夜が更けても、彼は精一杯エネルギーを出し切るまで、充電をやめなかったから。

PowerCore+ 13400での充電結果

そしてついに、電池残量がゼロに近づいてきた。

PowerCore_Charge03

約3時間半。充電に要した時間はPowerCore 10400とほとんど変わらない。

だが、奴が燃え尽きる瞬間に画面を見た。

 

PowerCore_Charge13

充電残量は5%→43%まで回復した。

前回のPowerCore 10400の時はというと、

PowerCore_Charge11

24%までの回復に留まったのだから、同じ時間充電して、約2倍弱の充電に成功している。

右側のグラフを見れば、下のPowerCore 10400の充電曲線に比べて、上のPowerCore+ 13400の充電曲線は急になっていて、より大きい電力で充電を行ったことがわかる。

ワットチェッカーを見てみると、

PowerCore_Charge02

電流は2.29Aを叩き出し、充電容量は「8048mAh」と表示されていた。

 

凄い。

ほとんど同じサイズで、これほどまでに充電効率が改善するとは。

技術の進歩のスピードは目を瞠るものがある。

これで外出先でバッテリーの心配などせずに、思いっきりMacBookを使うことができる。

 

そう思った。

そう思っていたのだ。

この物語に続きがあることなど、誰一人として気づきもしていなかったのだ。

そう、誰も。

次回予告

現役最強と思われた「PowerCore+ 13400」のバッテリー。

だが、運命の先には、思いもしない出来事が待ち受けているものである。

次回、MacBook 12インチにとって、最高のモバイルバッテリーが陽の目を見る。

こうして、扉は少しずつ開かれてゆくのだ。

【連載】MacBook 12インチの運命(2)〜PowerCore 10400の開いた道

そのメールは、見慣れたAmazonからのメールだった。

いわゆる、タイムセールのお知らせというヤツだ。

Amazonでは、毎日日替わりで特選商品を限定数に限り、特別価格で販売している。

 

その中で、まるで私の心を見透かすかのように、奴は新しいモバイルバッテリーを勧めてきたのだ。

 

それがコイツだ。

「Anker PowerCore+ 20100」。

容量は、私が所有している、「Anker PowerCore+ 13400」倍近い容量のバッテリーだ。

これによって、当然大きさは大きくなる。本体の細さは幾分細くなるが、長さがおよそ倍だ。

私の普段持ち歩く「ひらくPCバッグmini」のモバイルバッテリー用ポケットには当然収まりきらない。

上半分が露出してしまう形になる。

 

但し・・・

このバッテリーには他にない機能がある。

その一つが、「USB-C」ポートの搭載だ。

USB-Cから、USB-Cへの充電が可能になるのだ。

これは私が密かにずっと待ち望んでいたことだ。

 

そして、もう一つの機能。

それは「3A充電」である。

これまで様々な高性能のモバイルバッテリーを使ってきたが、どれも「2.4A充電」が限界だった。

これは散々今まで検証してきた通りだ。

 

それが3Aになる。

ちなみに、純正のACアダプタの電源供給能力は29W。今までのバッテリーは5V2.4Aだったから、供給能力はどんなに行っても12Wが限界だ。

それがこのバッテリーだと、5V3Aで15Wと、純正アダプタの半分以上の電源供給が可能になる。

これは刮目すべき機能だ。

 

私は心躍った。

「USB-Cポート搭載」と「3A充電」。

これだけで、このアダプターは十分魅力的で、購入に至る動機になった。

 

しかも、今日だけタイムセール中。

標準価格が5,999円のところ、4,799円で購入できる。

しかも私はポイントでその分を賄えたので、支払いの必要もない。

なにも迷う必要など、もうないのだ。

 

なに?

サイズ?重さ?

もう、そんなことはどうでもよかった。

第1章 モバイルバッテリーで初めてPCを充電したときのこと

はやる気持ちを抑えながら、私は、一旦冷静になってみることにした。

衝動買いは失敗も多い。

何しろモバイルバッテリーだけで幾つも持っているのだ。

「充電耐用回数500回」とか、そこまで行く遥か手前で新しいバッテリーを購入しているから、どのバッテリーもほとんど新品だ。

 

まずは冷静な気持ちになって、今までのモバイルバッテリーでの充電がそれほど非力であったのかを再度確認してみることにした。

 

既に購入したモバイルバッテリーたち。

それが「PowerCore 10400」と「PowerCore+ 13400」である。

【比較レビュー】Anker PowerCore+13400とPowerCore10400 どちらを持ち歩く?

この二つを使って、MacBook 12インチをどの程度まで充電できるのかを試してみることにした。

下準備

なるべく条件を同じにするため、まずMacBookの画面の照度、スクリーンセーバの停止、起動するアプリケーションを同じする。

アプリケーションはChrome画面1枚、(タブはブログ画面、ブログ編集画面、Analyticsの3枚)、メールアプリ、LINE、Messangerだ。これに充電状況を確認するため、「アクティビティモニター」を常時起動状態にした。

PowerCore_Charge09

「画面解像度、輝度はデフォルト」の状態

PowerCore_Charge08

ディスプレイが消灯しないように、スリープ状態に入る設定を解除

PowerCore_Charge14

スクリーンセーバーをオフ

この状態で、まずは「PowerCore 10400」で充電を行った。

ちなみに、USB-AからUSB-Cへの変換ケーブルは、Ankerの下記のものを利用した。

PowerCore 10400での充電結果

まず、電池残量が5%になるまで、電源をつながずに作業を行う。

PowerCore_Charge15

この状態で、「PowerCore 10400」を接続する。

PowerCore_Charge10

充電完了までの時間は「14時間23分」と出た。

この時、ストップウォッチをスタート。

PowerCore_Charge04

バッテリーの充電は満タンだ。

そして、出ている電源出力はというと、

PowerCore_Charge05

5V2A程度だった。

そして、モバイルバッテリーのLEDがすべて消灯した時、

PowerCore_Charge06

3時間33分後であった。

これで充電できた容量は、

PowerCore_Charge07

6890mAhだった。10400mAhからは3,510mAh少ない値だった。

これでどれだけの充電が行えたかというと、

PowerCore_Charge11

24%残量。5%→24%なので、約19%分の充電しかできないこととなった。

ちなみに、一番右側が充電の様子を示すグラフだ。

かなりなだらかなグラフになっていることがわかるだろう。

これだと、かなりゆっくりな充電となってしまうため、若干心許なく感じてしまうところだ。

次回予告

次回は、次のモバイルバッテリー、「PowerCore+ 13400」での充電結果を示していきたい。

乞うご期待だ!

【連載】MacBook 12インチの運命(1)〜Aukey USB-Cケーブルが扉を開ける

それは、運命だったのかもしれない。

 

MacBook 12インチ、ディスティニー。

美しいフォルム、新開発の薄型キーボード、抜群のサイズ感、紙のように薄い本体、魅力を挙げればきりがない。

だがこのパソコンが他のパソコンと大きくその性質を異にすることがもうひとつ有る。

 

それは、「USB-C」ポートの搭載だ。

2015年、新しく発売となったMacBookからは、普通のUSBポートも、ディスプレイポートも、SDカードスロットもその薄型の筐体からは省かれた。

そして、充電用のポートすら、このMacBook 12インチには搭載されていない。

 

外部周辺機器も、メモリーカードも、本体の充電すら、たった一つだけ搭載されたこのUSB-Cポートで賄うことを宿命とされてこの世に誕生したMacBook 12インチ。

それは何を繋ごうにもアダプタを介さなければならない不便を強いるという、避けがたい現実を私たちに突きつけた。

CB-CD510

MacBookの生命の源、USB-Cポート。

 

ただ、それは裏を返せば、USB規格での充電が可能になったことを意味する。

USB規格は5Vの電圧で電気を通す。

今更言うまでもなく、USBは汎用性が非常に高く、これに合わせたACアダプタやモバイルバッテリーが星の数ほど販売されている。

 

つまり理論上、これらの機器を使って、このMacBookを充電することができるようになったのだ。

MacBook 12インチがこのUSB-Cポートを身にまとった瞬間から、こうしてモバイルで充電することを運命づけられた。

 

これは、MacBook 12インチを、最適なモバイルで充電して使うことを追い求めた男の、試行錯誤のストーリーである。

序章 MacBook 12インチ「ディスティニー計画」

それは突然のことだった。

AukeyのUSB-Cケーブル「CB-CD5」が、サンプル品として届けられた。

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白いパッケージに包まれたUSB-Cケーブルは、USB-Cポート同士をつなぐケーブルだ。

これまで通常のUSBポート(USB-A)から、USB-Cポートへの充電ケーブルは幾つか試した。

どれも性能良く、最大2.4Aの出力が出た。

だが、USB-C同士のケーブルを手にするのは初めてだ。

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パッケージの中には、高耐久ナイロン素材でできた、ちょっと太めのケーブルが入っていた。

コネクタ部分も大きめで、一見してゴツいケーブルのような印象を受ける。

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ケーブル部分は太いが、高耐久ナイロン素材で、ちょっとやそっとでは断線したりする心配はなさそうだ。

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ケーブルが太いため、このように束ねると、束ねた部分を中心に蝶のように広がることになる。

私はケーブルを前にして、これまでMacBookを毎日充電するために使用していた、純正ケーブルを手元に引き寄せた。

純正ケーブルとの比較

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Apple純正のUSB-Cケーブルは、iPhoneに付属しているLightningケーブルよりも若干太い。

MacBook 12インチはUSB-PD規格に対応した製品だ。

【MacBook】USB-PD規格と、「給電」「充電」状態の違いについて

USB-PD規格は、より早く充電を行うため、大容量の電気を流せるようにした規格だ。

だから、ケーブルが発熱しないように太くしてある。

だが、このAukeyのケーブルは、それと比較してみても、ずっと太い。

 

しかも、今回のAukeyの高耐久ナイロンケーブルの長さは1メートル。対して純正のケーブルは倍の2メートルなのだ。

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コネクタ部分を並べてみると、こちらも純正と比べて大きい。

同じUSB-Cのコネクタとは思えないほどに大きさに差がある。

だが、この大きなコネクタをMacBookに挿すとき、その表情は一変する。

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シルバーに光るコネクタが、実に見事にMacBookにマッチしている。

MacBookのUSB-Cポートが本体左側にあるため、ロゴが逆さになってしまうのは少し残念だが、それ以外は完璧だ。

そして、実はこの大きめのコネクタは、抜き差しをするのにとても扱いやすかったのだ。

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もう一方をApple純正のACアダプタに繋いでみる。

コネクタは同じなので、当たり前ではあるが、バッチリと挿さる。

しかもこのケーブルの長さは1メートル。

純正のケーブルは2メートルだから、正直持ち運ぶには長すぎると感じていた。

その点もこのケーブルなら、モバイルとして持ち運ぶには最適の長さだ。

湧き上がる、「モバイル+USB-Cでの充電」への欲求

初のUSB-C同士のケーブル。

私はその高耐久ナイロン製の丈夫な作りと、スペースグレイのMacBook 12インチに素晴らしくマッチするデザイン性を目の当たりにして、このケーブルを普段持ち歩いている「ひらくPCバッグmini」に入れて、持ち運びたくなる衝動に駆られた。

このUSB-Cケーブルをモバイルバッテリーに接続し、外出先で充電しながら、MacBook 12インチを使えれば最高だ。

 

だが、それには一つ、大きな問題がある。

USB-C端子を持つモバイルバッテリーがない。

私の持っているモバイルバッテリーは、どれもAnkerのモバイルバッテリーで、とても高性能なバッテリーばかりであるが、それらは通常のUSBポートからの給電を行うタイプのものだ。

 

しかも、これらは最大2.4Aの出力性能。

ちなみにMacBook 12インチは、最低5V2.4Aの出力性能があれば、充電は行える。

それはこれまでも幾つかの検証を行って証明してきた。

Anker PowerCore+13400でMacBook 12インチを充電した結果が驚愕!

MacBook 12インチを使いながら、モバイルバッテリーで充電した結果

どの結果も、試したモバイルバッテリーはMacBookを充電するには十分なスペックで、数時間MacBookの稼働時間の延命効果をもたらし、緊急時にはその効果が大いに期待できることがわかった。

ただ、惜しむらくはその充電速度はそれほど速くなく、少し高い負荷を必要とする作業をMacBookで行おうとすると、充電が追いつかずに徐々にMacBook本体のバッテリーが減少してゆくということだ。

もちろん純正のACアダプタをつなげば、USB-PDのお陰でどんな作業を行っても充電は継続され、かつ充電スピードも速い。

 

私は、この大きな差を、どうにかして埋めたかった。

モバイルバッテリーだけで、2.4A頭打ちのこの充電状況をなんとか打開できないものか・・・

 

現時点で、残念ながら、USB-PD規格に対応したモバイルバッテリーは発売されていない。

それは残念ながら、厳然たる事実だ。

 

それにUSB-PD規格は高電圧なため、これを実現しようとすれば、HyperJuiceのような高価格帯のバッテリーが必要だ。

しかも、HyperJuiceも現在MacBook 12インチ用の変換コネクタが長期欠品となっていると聞いている。

 

これは諦めるしかないのか・・・

そんな鬱々とした私の住む福井も、夜が更けていく。

外は5月としては異例の暴風に見舞われ、家の周りを「ピュー」っと風汽笛が次々にやってきては闇に消えてゆく。

 

嵐の予感。

私は静かにパソコンを閉じ、眠りについた。

ある一通のメールが、届いていることに気づかぬまま・・・

 

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