【レビュー】Canon EOS 80Dのプログラムオートは好みの設定を記憶できる利便性抜群な撮影モードだ!(3)

前回はマニュアルモードの使い方を紹介してみた。

【レビュー】Canon EOS 80Dのマニュアルモードを使いこなせ!(2)

モードセレクターの中にある謎の表記。

それが「C1」「C2」だ。なにか、首都高速のような名前のモードが、このカメラの実に便利なモードである。

この「C」はおそらく、「カスタム」の頭文字で、シャッタースピードや絞りは自動設定されるものの、オートフォーカスのモードや合焦範囲、測光モード、露出補正情報、ドライブモードにISO、RAW撮影orJPG撮影モードなどを自由に設定して、それらを記憶しておける非常に利便性の高いモードになっている。

セレクタを「C1」に合わせたら、撮影モードを自由に設定してみよう!

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まず、「C1」にセレクタを合わせると、「プログラムAE」モードが表示される。

 

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これが現在の「C1」モードでの設定状態。まず、一番上のISOはオート、二段目の露出補正情報は1/3ステップマイナス、三段目はポートレートや風景、モノクロなどの画質設定をする部分で、現在はオート。その右は太陽光や白熱灯などのホワイトバランスを設定するでこちらもオート。その右は明るさとコントラストを強くかけるかどうかを設定する部分でこちらもオートだ。

四段目はAFモードで、1枚のみの撮影モード(シャッターを半押ししてピントがあったらAFロック)や動体を追いかける際に適した被写体追尾モードなどが選択可能で現在は1枚のみ撮影のモードだ。そして、AFを中央一点でピントを合わせるか、より広い範囲で自動的にピントを合わせるかを設定でき、現在は中央一点で設定されていて、測光モードは画面の全体にバランスよく露出を合わせるか、中央一点で合わせるかなどを設定できる。こちらの現在の設定も中央部一点だ。

 

中央一点のAFと中央一点の測光(スポット測光)、1枚だけの撮影になっていることから分かる通り、これはマクロ撮影や料理の撮影により使いやすいモードになっている。

つまり、直前にどんなモードで撮影を行っていたとしても、ダイヤルを「C1」に合わせるだけでマクロ撮影をスタートすることができるんだ。

これは本当に便利で、例えるなら忙しいさなかに時間を見つけて行きつけのバーに行き、何も言わずにバーテンさんがその人のボトルを出して水割りを作り、好みのツマミを出してくれるようなものだ。

こんなに簡単に自分の好みの写真を撮れる機能があるということは、実にユーザーの撮影シチュエーションを想定されている何よりの証拠じゃないだろうか。

なんと80Dはこのプログラムオートモードをもう一つ搭載!

こんなに便利なモードではあるが、撮影する環境や被写体は当然変わるので、このプリセットモードが一つだけだと、ちょっと物足りない。ところがこのEOS 80Dはもう一つ、このプログラムオートモードが搭載されている。

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それが「C2」。あとから出来た首都高外郭環状線みたいだ。

 

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ここでは露出補正はナシ、その他、AFモードは「被写体の動きに合わせてモードを判断する設定」、AF範囲は「45点自動」、測光は画面全体に露出を合わせる「評価測光」になっている。これなら、外での街歩き撮影やスナップにも充分にこのカメラの威力を発揮できるだろう。

肩液晶の部分のボタンでも設定を変えられる

当然これらの設定値は、Qボタンを押すことによって、タッチパネルや親指位置のダイヤルでも設定が変更できるが、実は肩液晶のところにあるボタンを押しても設定を変えることができる。

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ISOのボタンを押して、シャッターボタン手前のダイヤルで変更可能。

 

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こちらはドライブモード。「H」が表示されているのは、連写モードを示す。これらは人差し指だけでボタンを押し、ダイヤルを回すので、ファインダーを覗きながら変更ができる。微に入り細に入り、本当に撮影者のかゆいところに手が届く仕様だ。

バルブモードについてもご紹介

セレクタに「B」と表示されているのは「バルブモード」と言って、シャッターボタンを押している間だけ、シャッターを開けておく事ができるモード。

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これは長時間露光を行うためのモードだが、用途はかなり限られる。

例えば天体写真撮影など、30分、1時間と露光する場合は、このモードを使う。だが、このバルブモード、いくつか注意点がある。

というのも、長時間露光は非常に難しいからだ。何しろシャッターボタンを何秒開けておくかはカメラが判断する術がないので、どのISO感度でどれくらいシャッターを開けていれば適正な露出を得られるかが、撮影しないとわからない。

それに被写体の種類にも依存する。被写体が非常に明るいものである場合は、長時間露光をすると多くが露出オーバーになってしまうので、できるだけ暗い被写体が好ましいが、例えば花火や高速道路を走るヘッドライトの軌跡を撮影する場合はどれくらいの明るさがあるかは撮影してみないとわからない。

この辺は経験がモノを言う世界だが、失敗作も多く、フイルム時代にはとても難儀した。今はデジタルなので、その場で確認できるからかなり便利になったのだが、それでも難しいことには変わりはない。

 

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なお、バルブ撮影には三脚と、こういったリモコンレリーズが必須。カメラのシャッターボタンを長押ししている間、撮影者が微動だにしなければいいのだが、30分ともなると流石に人間では難しいから、こういったレリーズを装着して、カメラから離れたところからケーブルを使ってシャッターを切る。

 

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こうやってボタンを押せば、シャッターが開放される。これを押し続けるのも大変なのだが、

 

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きちんとこのレリーズにはロック機構が備わっていて、ボタンを押したままスライドさせると、シャッターを開放した状態のままロックされる。

30分露光が終わったころに、このロックを外してシャッターを閉じれば問題ない。

特に露光時間が長い天体写真撮影には、必須のアイテムといえる。

 

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こんな感じでカメラに装着。本体のカバーを外して、ジャックを挿すだけで問題なく動作する優れたオプション品だ。

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最後に、重量や端子類を紹介

最後になってしまったが、このカメラの重さと拡張性について。

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まず、本体右側面にSDカードが入る。

 

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バッテリーはグリップ部分。

 

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外部出力端子は、HDMIとminiUSBポートが対応。

 

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隣に動画撮影用のマイク端子にイヤホン端子があった。

 

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ここがリモコンシャッター部だ。

 

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ここまでついて、本体の重量は約750g!レンズを付ければ当然重くなるが、この機能に堅牢性を兼ね備え、ペンタプリズムファインダーであってもなお、750g台に収めてくるところが本当にスゴイところ。

次回はいよいよ、レンズのレビューに入って行きたいと思うので、お楽しみに!

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【レビュー】Canon EOS 80Dのマニュアルモードを使いこなせ!(2)

華々しく(?)EOS 80Dのレビュー記事を昨日書いたわけだが、書いているうちに文字数が3,000文字をあっさり超えてしまい、とても一つの記事で収まらないと悟り、急遽記事を分けることにした。

【レビュー】Canon EOS 80Dは衝撃的なスペックと最高の外観だ!(1)

というか、モノがモノだけに、簡単なレビューで済ませられるほど単純ではないので、コレばかりは許して欲しい。だってすげー魅力が詰まってるんだから!(笑)

というわけで前回は外観と、ほとんどオートで撮影できるモードの解説をしてみた。今回は「もうちょっとこだわって撮影したい!」という人のために、マニュアルモードの解説をしてみたい。

「マニュアルモード」で自由自在な撮影をしよう!

フイルム時代からずーとカメラに搭載されている撮影モードがある。それが「絞り優先モード」「シャッタースピード優先モード」「マニュアルモード」だ。

「背景をボカしたい場合」は、絞りを開放するし、逆に被写界深度の深い写真(背景までピントがあっている)を撮りたい場合は絞る。それぞれの場合において、絞りを手動で設定した状態でカメラが最適なシャッタースピードを設定するモードが「絞り優先モード」だ。キャノン機の場合は「Av」にセレクタを合わせると、絞り優先になる。

また、スポーツシーンでベストカットを止まった状態で撮影したい場合はシャッタースピードを早くするし、逆に「流し撮り」と言われる、被写体だけを静止させて背景をわざと流れるように撮影(カーレース撮影などでよくやる)する場合はシャッタースピードを敢えて遅くし、カメラを被写体に合わせて動かしながらシャッターを切ったりする。シャッタースピードを手動で変更して、絞りをカメラが自動で設定するモードが「シャッタースピード優先モード」。セレクタは「Tv」だ。

 

この両方を自分で設定して、その他ISO感度(数値が高いほど高感度だが画像が荒くなる)などと組み合わせて、より自分の望んだ画を撮りたい時には、やっぱり「マニュアルモード」が役に立つ。

最初はハードルが高く感じるかもしれないが、ある程度慣れてくればカメラがオートで設定してくれるのはちょっと「お節介」に感じてくることも多くなる。あえて適正露出ではなく、「暗く」「明るく」撮影したい場合も出てくるのだ。

そこでここではこの「マニュアルモード」での撮影を解説する。

シャッタースピードはシャッターボタン手前のダイヤルで変更

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セレクタを「M」に合わせよう。

 

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液晶に表示されている「500」という数字がシャッタースピードだ。「1/500秒」が現在のシャッタースピード。ここでシャッターボタンの手前にあるダイヤルを回す。

 

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すると、数字が「800」に変わった。これで、シャッタスピードが「1/800秒」に変わった状態。当然ファインファーを覗きながらの操作もできるぞ!

絞りは親指位置のダイヤルで変更

続いて絞りの変更だ。これは親指位置のダイヤルで行う。

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「F5.0」という表示が現在の絞りの値。コレを一段絞ってみる。親指でダイヤルを回すと・・・

 

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「F5.6」に変わった。このカメラの操作性の良いところは、ファインダーを覗きながら、「人差し指でシャッタースピード、親指で絞り」を変更できるところだ。実に素晴らしい操作性!

シャッタースピード、絞り、ISO感度の組み合わせを理解しよう!

さて、写真を撮影するときにもっとも重要な要素である「シャッタースピードや絞り」。一般的に動きの早いものを撮影するときにはシャッタースピードを早くし、被写界深度の浅い(背景がボケる)画を撮りたいときは絞りを開放するものだが、撮影する場面ではなかなかそううまく条件が整ってくれない。

真夏の海の燦々と降り注ぐ太陽の光の下でなら、シャッタースピードは早くできるが、夕暮れ時や屋内での撮影時にシャッタースピードを早くすると、あっという間に露出不足になって暗い画像になってしまう。

 

そこで登場するのがISO感度。昔はASAとも言ったけど、どちらも元々はフィルム時代の規格で、デジタル時代に移行しても、わかりやすいようにこの規格を引き継いで使っている。

これは簡単に言うと、光に対してどれくらい感度があるかを示す値で、値が大きくなればなるほど暗い場所に強いということになる。

反面、高感度撮影は画像の粒子が荒くなってしまう欠点があって、明るい場所なら出来る限り低感度の設定で撮影することが望ましい。

 

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試しに、マニュアルモードで「シャッタースピード0.3秒、絞りF5.0、ISO100」の設定で撮影してみた。2段目にあるインジケータ、コレが露出計で、真ん中の「0」のところにポイントが合っている。つまりこの状態が適正な露出であるということ。

 

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シャッタースピードが「0.3秒」という遅い速度なので、三脚を使わないと手ブレが発生する。この写真も当然三脚使用。手持ちの場合や、被写体が動くものである場合は、このスピードでは全然足りない。

 

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そこで、今度はシャッタースピードを「1/20秒」に早くしてみる。インジケータは「-3」近くになっている。すると・・・

 

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全く露出不足で暗すぎ。これでは写真にならない。そこでISO感度を上げてみる。

 

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「Q」ボタンを押すと、ISO感度を変更することが可能だ。

 

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ここで、80Dの常用最高感度「16000」まで上げてみる。すると、シャッタースピードを「1/500」秒まで上げても、露出計のインジケータはセンターにポイントされた。

 

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撮影した写真がコレ。1枚目の写真とほとんど同じ露出で撮影出来ている。「1/500」秒なら、通常の撮影でも充分なシャッタースピード。少々の動きがあってもブレることはない。

ただ、先ほども書いたように、画質にどうしても差が出てくる。

 

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これは1枚目の写真を拡大したところ。ISO100なら、繊維の毛羽立ちや模様をはっきりと写すことが可能。

 

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一方、ISO16000だと、繊維の状態は潰れてしまって映らない。なんとなくボケた感じになって、画質もザラッとした印象になる。

これが高感度撮影のデメリットだ。

このように、暗くなったら単に感度を上げて撮影すれば良いというわけではない。明るいレンズ、光源の位置や状態、被写体特性、三脚使用などで、カメラのセンサーに当たる光量をできるだけ稼いで、最終手段でISO感度を上げるという方法が、写真撮影の基本となる。是非撮影の際は覚えておいて欲しいぞ!

 

と、ここまで書いたらまた結構な分量になってきたので、続きはまた次回にしようと思う。次は私が撮影の際にメインで使う、「プログラムオート」の解説だ。お楽しみに!

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【レビュー】Canon EOS 80Dのプログラムオートは好みの設定を記憶できる利便性抜群な撮影モードだ!(3)

【レビュー】Canon EOS 80Dは衝撃的なスペックと最高の外観だ!(1)

これまで、多くの写真をNikon D5500で撮影してきた私だが、この度CanonのEOS 80Dに機材を変更した。

正直、レンズのこともあるので、一眼レフを別のメーカーにするのは躊躇するポイントなのだが、それを補っても余りあるほどEOS 80Dは魅力がありすぎて、カメラ店の店頭で私の心を掴んで離さなかった。

事の顛末は連載シリーズ「燃ゆる夏」をご覧頂きたいが、とにかく紹介したい機能がてんこ盛りのEOS 80D。やっと落ち着いてレビューできる時間が取れたので、紹介してゆきたい。とても一回では伝えきれないと思うので、今回はまず本体からのレビューだ。

連載「燃ゆる夏」はこちらから!

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APS-Cセンサー搭載のCanonの最新機種、EOS 80D

まず、80Dの外観から見ていこう。

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もう、充分にこれだけでカッコいいのだが、D5500と比較すると一回り大きくなった。だが、このグリップがとてもガッチリとした感じで、ホールド性が抜群。外見上は前の機種である70Dとあまり変わらないので、マイナーバージョンアップという考え方もできるが、私は70Dを持っていなかったので、カメラの機動性や操作性はかなり変わることになった。

 

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マウント内部には、一眼レフの大きな特徴である「ミラー」が設置されている。このミラーが、シャッターを切った瞬間に跳ね上がり(ミラーアップ)、奥にあるセンサーに光があたって映像が記録される。80Dはこのミラーアップの機構が、70Dの「バネ式」から「モーター駆動」に変更になった。これによってシャッターを切った際の振動が軽減されているそうだ。

ちなみに、このミラーの真上には「ペンタプリズム」というガラスの多面体が存在していて、そこで屈折した映像がファインダー内に表示される仕組み。これが一眼レフカメラの特徴で、「見たままの映像を記録できる」ので、フイルムの時代からプロカメラマンが一眼レフカメラを愛用してきた。このペンタプリズムは「ガラスの塊」で、重量がそれなりにあるため、D5500のような小型のカメラでは「ペンタミラー」というパーツを使っているものも多い。

ペンタミラーを使うと確かに本体重量を軽くできるメリットが有るのだが、その分ファインダー視野率が狭くなるという欠点がある。コレについては後述しよう。

 

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これは部長も絶賛している「肩液晶モニタ」。ここに現在の設定情報やカメラの状態が表示される仕組みだ。

シャッタースピード、絞り、サーボモード、ISO感度、測光モードなど、撮影に必要な情報はすべてここに表示される。その他電池残量やWiFiのon/off、露出補正情報、撮影可能枚数も表示されていて、バックライトも装備だ。

この液晶はエントリー機では省略されているものがほとんどだが、あるとたしかに非常に便利。そしてここに表示されている各種数値は、液晶上のボタンと、シャッターボタン手前にあるダイヤルで調節が可能なので、カメラを首から下げたまま、各種設定変更ができる。

 

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そしてコレ、バリアングル液晶だ。私はコレが搭載されていなかったら80Dを多分手に入れていない。それくらいバリアングル液晶は重要だ。

手持ちローアングルで撮影するときに便利というメリットもあるが、それよりも私は三脚にカメラを据えた時に主にこの機能を使うことが多い。

被写体によって、カメラを目線よりだいぶ低い位置に据えることもある。カメラをライブビューモードにして被写体を確認したり、撮影モードを確認する時にこそバリアングル液晶が効果を発揮するのだ。

ちなみにこの液晶画面には、ガラス保護フィルムを貼付している。通常の保護フィルムでもいいかと思ったのだが、アマゾンで思いの外安く販売していたので、ガラスにしてみた。指の滑りもよく、タッチ液晶の感度も全く問題ない。

このガラスフィルムには、肩液晶保護のシートもついてきたので、オススメ。液晶画面に傷がついてしまっても、後悔先に立たず、だ。

光学ファインダーモードとライブビューモード

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コレがライブビューモード撮影時の背面液晶画面だ。バリアングルなので、当然角度は調整可能。画面には撮影モードや電池残量、露出補正情報などが表示される。このまま画面をタッチしてそのままシャッターを切ることも可能。動画撮影時なら、タッチしたところに素早くピントが合ってくれる。

 

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これは光学ファインダーを覗いて見たところ。緑の文字でシャッタースピードや絞り、露出補正などが表示される。画像の方はというと、なんとこのクラスでファインダー視野率100%を達成。つまりファインダーで見たままの映像が記録される。

ファインダー視野率というのは、実際に記録される映像に対して、どれだけファインダーに表示されるかを示す値で、D5500では、95%しかなかった。これは先程出てきた「ペンタミラー」も影響しているのだが、撮影してみたら余計なものが写り込んでいたということが少なくなかった。

この視野率100%というのも、80Dを購入する決め手となった一つ。余計なことを考えずに構図を構えられるということは、撮影する上で大きなアドバンテージなのだ。

ロック機構付きモードセレクタダイヤルと撮影モード

80Dでは、左肩にあるモードセレクタダイヤルを回して撮影モードを変更する。

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下のON/OFFレバーは本体の電源スイッチ。その上のダイヤルがモードセレクタダイヤルで、中央部のボタンを押しながらダイヤルを回す。このロック機構が意図しない誤操作を防ぐ仕組みになっているようだ。

 

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これはいわゆる「フルオート」モードで、カメラがシーンを自動的に判断して、すべての数値を自動的に計算してくれる。どんな場合でもここにしておけば平均的な写真は撮れるが、ストロボも自動で発光したり、絞りやシャッタースピードも自動設定なため、こだわった写真を撮りたい場合はここに合わせてはいけない。

 

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これは、基本的にオートなのは変わらないが、ストロボを発光させずに撮影するモード。ストロボ発光禁止の場所や、夜景を撮影する場合などはここに合わせておくとよい。

 

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「クリエイティブオートモード」では、簡単に背景ボケの撮影がしたい時に便利だ。

 

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液晶画面の右上にある「Q」ボタンを押すことで、背景ボケの量を変えることができる。一般的に、絞りを開放してできるだけレンズから多くの光が入る状態を作ると、背景がボケる。これを「被写界深度の浅い写真」といって、いわゆるF値が小さいと背景がよりボケるのだが、これを初心者でも簡単に操作できるようにした機能だ。

 

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その他にも、「スペシャルシーンモード」が用意されていて、

 

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料理モードや風景モード、スポーツモードなど、よく使われそうなシーンモードが予めプリセットされている。

「フルオートモードは嫌だけど、細かい数値を設定するのはちょっと・・・」という場合は、このモードにしておくと、パターンに応じた最適な露出設定をカメラがやってくれる。撮影してみて「あれ、ちょっとイメージが違うなあ」という結果になるのが減るはずだ。

 

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その他、「クリエイティブフィルターモード」は、写真に色々な効果を加えたい時に便利。

 

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モノクロや魚眼風など、PCに取り込んで修正しなくても、簡単に特殊効果を加える事ができる。遊び感覚で写真を撮ってみると、また違った撮影の楽しみ方が広がるかもしれない。

次回は、自分で細かく設定したい人向けの「マニュアルモード」と、自分の好きな設定状態をプリセットしておける「プログラムAEモード」、天体写真などの長時間露光を行うための「バルブモード」を紹介してゆきたい!

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【レビュー】Canon EOS 80Dのマニュアルモードを使いこなせ!(2)