MacBookなどに接続するACアダプターやモバイルバッテリー。
これらの性能を評価するのに欠かせないのが、その「給電能力」だ。
ただ、アダプターやバッテリーに電圧計や電流計のインジケーターがついているわけではないので、正確な給電能力はなかなか計測することができない。
そこで重宝するのが「USBチェッカー」というアイテム。
USBコネクタに接続する機器であれば、簡単にそこを通る電流と電圧を計測することができる、とても便利なものなのだが、
この連載でも使用している便利なルートアールのワットチェッカー、一つ問題があった。
それは「Quick Charge」に対応していないということ。
Quick Chargeとは、米国のクアルコム(Qualcomm)というメーカーが開発した、急速充電を可能にする技術のことを指すが、電流(アンペア)を増やすのではなくて、電圧(ボルト)を上げることに対応していることがポイント。
つまり、通常5Vで流れるUSBの電圧が、9Vや12Vなどになったりするのだ。
参考記事
だがここで一つ注意点。
このQuick Chargeという技術。これは電気を送るACアダプタやモバイルバッテリーと、それを受け取るスマホなどの端末の両方がQuick Chargeに対応していないと、その充電スピードは発揮されない。
今のところスマホはiPhoneなので、この技術には非対応だが、最近手に入れたアダプタやモバイルバッテリー。実はこれに対応しているものが多くなってきたのだ。
このAnker PowerCore+ 13400のバッテリー。実はこれを充電する場合に、Quick Chargeに対応する。
そこで今回はきちんとQuick Chargeに対応したUSBチェッカーを用意したというわけだ。
waves QC3.0 USB チェッカー外観
非常にシンプルな箱に入って届いたUSBチェッカーがこちら。
なんとも外観もシンプルだ。シンプルすぎてちょっと心配になるくらいシンプルな作り。
背面の刻印を見てみる。上がこれまで使ってきたルートアールのUSBチェッカー。
対応している電圧は3-7V。電流が0.05-3.5Aまでとなっている。Quick Chargeは9Vや12Vなので、対応範囲外となる。
対して下の今回届いたUSBチェッカーは、電圧が3-30V、電流は0-5.1A。Quick Chargeに完全対応しているのだ。
給電される側のMacBookやiPhoneなどに繋がる側のポートは通常のUSB-Aタイプ。実はUSB-Cにも対応しているものがないか探したのでが、残念ながら見つけることができなかった。
こちらがACアダプタやモバイルバッテリーに接続する側のポート。USB-Aタイプだが、両面刺しに対応していて、どちら向きでも挿すことが可能だ。
実はこれが非常に便利で、挿す向きが決まっていると場所によっては表示画面が下を向いてしまい、表示を確認することが難しい場面に遭遇することがある。
この両面挿しによって、使い勝手が向上すること間違いなしである。
通常モードとQuick Chargeモードの比較
それでは、実際にモバイルバッテリーを充電する際の電力を計測してみよう。
まずは、通常モードでの充電を行った場合の表示がこちら。
電圧は5.15V、電流が0.97Aだ。右上に消費電力が表示されているが、およそ5Wである。
繋いでいるモバイルバッテリーは13400mAhの容量を持つが、5Wの電力ではフル充電までかなりの時間がかかると思われる。カラになったバッテリーを充電し始めて、翌朝にも終わっていない、なんてことはできれば避けたいものだ。
そこで、USBチェッカーをACアダプタの「Quick Chargeポート」に繋ぎ直してみる。すると・・・
バッチリ電圧は12.1V!消費電力はおよそ18Wなので、先ほどと比べて3倍強の電力を供給できていることが確認できる。
これなら、大容量のバッテリーでも、比較的短時間に充電できるだろう。
やはり、MacBookを充電できるような大容量のモバイルバッテリーを使うなら、バッテリーへの充電速度も速いものがとても便利だ。
両面挿しは実に便利
このチェッカーの特徴の一つが、両面挿しだ。
AnkerのPowerCore+ 20100にチェッカーを挿したところだが、このバッテリーを裏返して挿し直すと・・・
全く同じ格好で挿すことができるのだ!
細かいことではあるが、いざ使ってみると、これが実に都合がいい。
壁のコンセントに挿したACアダプタの向きは変えられないことも多いから、電力計測がすごく楽になるのだ。
なんと、ケーブルの抵抗値も表示できるぞ
実は、MacBookをモバイルバッテリーで充電する際に、使用するケーブルによって充電速度が異なることがわかった。
同じ条件で充電を行っても、2.4Aでしか充電できないケーブルと、3Aで充電を行うケーブルがあったのだが、このUSBチェッカーを使うと、抵抗の計測も行ってくれる。
これは2.4Aで充電を行うケーブルを接続して、MacBookを充電しているところだ。
右上に2.23Ωという数字が表示されている。私は電気の専門家ではないので、これが何を意味しているのか実はよくわかっていないが、試しに3Aで充電できるケーブルを接続してみると・・・
先ほどの抵抗値よりも明らかに減って、1.87Ωとなっている。
このように、ケーブルの性能を測るのにも、お手軽なチェッカーであるのも素晴らしいと思う。
さいごに
USBのワットチェッカーは、通常の生活をしていればあまり必要性を感じないもかもしれない。
だがモバイルバッテリーやそれに接続するケーブルなどは最適なものを選びたい。
MacBookを外に持ち出して使う、モバイラーとしてはどうしても避けては通れないところだ。
ところが、市販のガジェットの詳細な性能というものは商品説明などに記載されていないこともあって、「買ってみないとわからない」というのが実情でもある。
そんなガジェットの性能をしっかりと把握しておくことは、外で作業を行うときの貴重な安心材料だ。
今回紹介したwaves QC3.0 USB チェッカーは、外でのパソコンのバッテリーの充電が必須なモバイラーや、少しでも効率の良い充電環境を作りたい方にはとても便利なアイテムではないだろうか。
この機会に1台、導入してみてはどうだろう!
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