前回は、「Anker PowerCore 10400」で検証を行った。
だが、私はずっと、気にしていたんだ。
だって、奴はほとんどPowerCore 10400と同じサイズなのに、容量が3000mAhも多くなっているんだから。
それは「PowerCore+ 13400」という名前で鮮烈デビューを飾っていた。
名前も「PowerCore」から「PowerCore+」へとグレードアップしている。
よく見ると、「VoltageBoost」という、接続したケーブルの抵抗を検知して出力電圧を自動調整する機能が追加になっているようだった。
何個もモバイルバッテリーを持っていても仕方ない。
そう思っていたが、どうしてもこの新しい「PowerCore+ 13400」を欲しいものリストから削除できずにいた。
何度も削除しようと思ったのさ。それがおそらく正しい行動だ。
だが・・・
バッテリーのセルがパナソニック製となり、ほとんど同じサイズで容量アップ、しかも新しい機能が追加になって見た目も刷新されたバッテリーを、優柔不断な私の欲しいものリストから削除できる訳もなく・・・
第2章 アルミの精悍な顔立ちで、奴はやってきた
気づいたら、見慣れたアマゾンの箱が奴は私の家のリビングに届いていた。
俺は後悔なんかしてないさ。
見た目もカッコよくなって、こんなに小さいのに、13400mAhなんて信じられるかい?
先輩のPowerCore 10400に敬意を表して、ここはもう一度同じ条件で、我がMacBook 12インチを充電してみようじゃないか。
じゃなきゃフェアじゃないさ。
充電開始
MacBook 12インチの設定はそのままだ。
電池残量が同じように5%まで減ったところで、ケーブルを繋いだ。
リング状の電池残量LEDは花火のように丸く白く光っている。
当然満充電状態だ。
USBケーブルをPowerCore+13400とMacBookへ。
そしてストップウォッチで計時を開始する。
見ての通りだ。これが充電を開始して7分後のアクティビティーモニターだ。
充電完了までの時間は「7時間37分」と表示されている。
思い出して欲しい。下は前回のPowerCore 10400で充電を開始した時の同じ画面だ。
おさらいだが、同じ条件の時、PowerCore 10400の時は、充電完了まで「14時間23分」かかると出ていた。
つまり、新しいPowerCore+ 13400は、PowerCore 10400の約半分の時間でフル充電が可能ということ。
バッテリー容量の問題があるので、7時間経過する前にバッテリーが尽きてしまうけれど、これは出力は約2倍になっているということを意味している。
私は狂喜乱舞した。
ここまでの性能の違いを見せつけられるとは・・・
どれくらいまでMacBookの電池は回復するのか。
そして、そのスピードは、、、
私はひたすら待った。
夜が更けても、彼は精一杯エネルギーを出し切るまで、充電をやめなかったから。
PowerCore+ 13400での充電結果
そしてついに、電池残量がゼロに近づいてきた。
約3時間半。充電に要した時間はPowerCore 10400とほとんど変わらない。
だが、奴が燃え尽きる瞬間に画面を見た。
充電残量は5%→43%まで回復した。
前回のPowerCore 10400の時はというと、
24%までの回復に留まったのだから、同じ時間充電して、約2倍弱の充電に成功している。
右側のグラフを見れば、下のPowerCore 10400の充電曲線に比べて、上のPowerCore+ 13400の充電曲線は急になっていて、より大きい電力で充電を行ったことがわかる。
ワットチェッカーを見てみると、
電流は2.29Aを叩き出し、充電容量は「8048mAh」と表示されていた。
凄い。
ほとんど同じサイズで、これほどまでに充電効率が改善するとは。
技術の進歩のスピードは目を瞠るものがある。
これで外出先でバッテリーの心配などせずに、思いっきりMacBookを使うことができる。
そう思った。
そう思っていたのだ。
この物語に続きがあることなど、誰一人として気づきもしていなかったのだ。
そう、誰も。
次回予告
現役最強と思われた「PowerCore+ 13400」のバッテリー。
だが、運命の先には、思いもしない出来事が待ち受けているものである。
次回、MacBook 12インチにとって、最高のモバイルバッテリーが陽の目を見る。
こうして、扉は少しずつ開かれてゆくのだ。