ここ福井県では、ここに住むからには毎年辛抱しなきゃいけない季節があります。
冬です。
こればかりはね、どうしようもないです。
都会育ちのchaboさんは、めったに降らない雪にそれほど深く考えたことなどはありませんでした。何せ生まれた時から30年東京にいたのですから。たまに降ったところで数センチくらいなもの・・くらいの感覚ですね。
ところがここ福井に転居してからというもの、その考えが脆くも崩れ去ることに。
福井ってどんなとこ?
福井県で、マイナーな県日本一ってことで、ちょっと前までは佐賀と並んで有名でした。(佐賀の人ゴメンナサイ!)
「マイナーなことで有名」ってのも変な話ですが、はなわがデビューしてから、佐賀はメジャーになっていき、益々福井がマイナーになってゆくような気配が漂ってました。
まず、東京出身の私がこちらに引っ越す前に福井に抱いていたイメージ
- 都会じゃないですか!ラーメン美味しいし(それは福岡!)
- いい温泉あるよね。東京からそこそこ近いし、いいところじゃん(それは福島!!)
- 福井?で、どこよ。東日本?(一応、NTTとJRは西日本!)
- なにか面白いものあるっけ?(いえ、特にないけど、美味しいものとかなら・・・)
それに対して越してきたばかりの私に言ってきた福井の人の反応(カッコ内はそれを受けた私の反応)
- 東尋坊があるで~(断崖絶壁、青木ヶ原樹海の並んで○○の名所)怖っ!
- 永平寺あるがな~。ゆく年くる年で有名な(いや、最近は笑ってはいけない見てるし・・)
- 魚介類もカニも負けんで~(太平洋にもお魚はいるから・・)
- コメ美味しいで~(新潟や秋田とかより・・?)
- 日本酒美味しいで~(酒飲めないもん・・)
- 恐竜日本一やで~(いや、化石だから!)
そしてしばらく住んだ私が抱いた福井の実態
- クルマが一人一台レベル(公共交通が発達していないから)
- 終電が10時頃まで。駅前の飲食店は19時で閉まる(唯一のデパートのレストラン街は19時30分まで!?ディナーは基本お家でどうぞ!)
- 運転が荒い(というかこっちのクルマはウインカーはオプションか??)
- タクシー運転手の態度が・・正直あまりよろしくない(最初に乗ったタクシーの運転手に舌打ちされた!)
- 福井の良さをしきりにアピールする(○○あるし景色はいいし魚美味しいし、いいところでしょ?アピール・・冷めるわ)
- 雪のレベルが想像を超える(福井の人はそれでも昔に比べたら半分以下に減ったと飄々としている)
- 魚介類のレベルも想像を超える(日本人で本当に良かったと実感出来る。これはマジ)
- 米やお酒も感動モノ(農家のお米が出てきたら、漬物だけで幸せになれる)
仕事上において
- 基本的に観光客ではないよそ者には冷たい
- 「都会ではそれでいいけど、こっちではこっちの感覚に合わせないとあかんわ~」が口癖(客が福井県内だけならいいけどな!)
- 部下にちょっと責任ある仕事を与えるといい加減にしてくれよというほど消極的
- 業務態度は本当に真面目、コツコツ系の人たちが多い
- 但し、福井にしかない技術、ノウハウはそれなりにあって、大手メーカーの下請け企業ワンサカ。メガネなんてダントツのシェア一位。なんなら下町ロケットじゃないけど、自動車や航空機の製造元に普通に部品卸してる
こんな感じでしょうかね。思いついたことをつらつらと書いてしまいましたが。
典型的な地方都市なんでしょうけど、とにかく色々な価値観が違いまくりなので、なれるにかなり苦労しました。まあ、10年も住めば都ということなんでしょうか。今はこちらのペースになって日本酒を頂いていますが^^;
そんな福井も、最近何かと注目されることが多くなりました。
皮肉にも、東日本大震災で原発問題がクローズアップされてから。
若狭湾に並ぶ「もんじゅ」を始め「美浜原発」「高浜原発」など原発銀座と呼ばれる場所ですからね。
その他にも、北陸新幹線が金沢延伸。その余波で福井の芦原温泉などを訪れる人が増えたとか。
そういえば今流行りの下町ロケット第2章のガウディー計画は、福井が舞台ですよね。
あれは「福井経編興業」という会社がモデルなんですよね。この前阿部ちゃんたちが繊維工場の中を歩いていましたが、まさにその建物が今回の「サクラダ経編」のモデルの会社です。
そもそも何故福井に?
これはよく聞かれます。理由は本当に家庭の事情なのですが、ちょっと嫁さんが東京で仕事頑張りすぎて、体を壊しました。精神的な面で。
それで東京に住み続けるのが、色々な面で不都合が生じてきたんですね。
例えば、電車に乗れない。一種の閉所恐怖症的なもので、ひと駅以上乗っていられない。
エレベータも、バスもダメ。移動はタクシーならなんとか。
都会でこれではちょいときついですね。
また、福井に母親を一人残して10代で東京に出てきたという過去もあって、母一人子一人だったので、帰ってきたかったのでしょう。
私も30そこそこでしたが、仕事もあるし、収入もそこそこありましたから賭けでしたね。今だったら出来た決断だったかどうか微妙です。その時はなんとかなるだろうというそんな感じで完全に退職して、こちらの企業に就職をしたのでした。
まあ、自分なりに開発やSI系の経験もありましたし、仕事も見つかるだろうという自信もありましたし。
で、仕事は見つかったのですが、収入は当然落ちますわね。半分くらいになったんじゃないでしょうか。
ところがこちらの物価ってそれほど安くないんですよ。家賃とお米以外は。
スーパー行って買い物したら、その値段は東京と同じです。いや、もしかしたらこちらの方が高いかも。
だから、ちょっと生活は苦しかったですね。そんな中で大雪は降るし、暗~い気持ちにもなったことが何度もあります。
おかげさまで、嫁さんの体調はすっかり良くなりました。お母さんとも数年間は一緒に過ごせましたが、60歳の若さで急逝してしまいました。嫁は子供の頃に父親を脳出血で失い、十数年前に姉を病気で失い、今度は母も失ってしまったわけなので、家族は私だけですね。今のところ。
福井の雪ってスゴイの?
コレ、東京の人がよくテレビで見かけるような雪の映像ってあると思いますが、意外と家から出られないというようなことはないです。
こちらは雪国らしく、除雪のノウハウがありますからね。夜のうちにブルドーザーが市内を走り回って、大概の道はクルマが走れるようになってます。
但し、駐車場周りの雪は自分で退けなければなりません。
また、スノータイヤも必須。長靴で出勤することも恥ずかしがってはいけません。背に腹は代えられないのです。
これは嫁さんの実家前の写真。今年の2月頃ですね。軽自動車でこんな雪でもちゃんと走れるんですから、日本のクルマは優秀ですね。
そうそう、今度タイヤ交換をしなければいけないので、その模様をレポートしようと思っています。そのためにインパクトレンチ買ったのでw
今回はちょっとでも今の福井の内情が伝わればと思い書いてみました。
これから冬まっしぐらで、大変ではありますが、皆様も体にご自愛くださいね。