それぞれの旅
人にはそれぞれ、居場所というものが必要だ。
そして誰かに必要とされること。
どれだけ経済的に満たされていようが、人が羨むような生活をしていようが、人に必要とされない生活は辛すぎる。
それはパソコンも同じことだ。
別れはいつも辛いものだが、新しい相棒を求める気持ちになってしまった以上、長年連れ添ったパソコンにはきちんと礼節を持ってお別れを言うことにしたかった。
私は勝手だ。
今から思えば、別れは新しい出会いの始まりとも言うし、お互い悪いことでもないはずと、半分自分自身に言い訳をしたかったのかもしれない。
私はこれまで進んできた道について改めて考えた。
人間にとって、パソコンというものは所詮道具でしかない。
道具そのものに意味があるわけではなく、それで何をやるかが重要だった。
ブログを始めてしまった今、私には、私の考えや行動に寄り添ってくれる新しい「相棒」が必要だ。
思ったこと、考えたことを、キーボードやマウスを通じて、遅滞なく受け入れ、表示してくれる道具。
それが私の望むものだったのだ。
いくつかの相棒候補
量販店の店頭や、ネット通販サイトで私は新しい相棒を探した。
最近では「パソコン」というものの定義があいまいになりつつある。
パソコンと言えば昔は「デスクトップ型」と「ノート型」から選ぶのが普通だった。
ところが、今はタブレットのような薄い端末にキーボードがくっついて、それでパソコンとほとんど同じことができたりするような時代になった。
これまで、私のそばには常にWindowsのパソコンがあった。
ネットサーフィンする時も、メールを書くときも、プログラムを作るときも、そこにはツーボタンマウスのパソコンがあった。
特に不満はなかったから、当然同じWindowsのパソコンを探した。
最初に手にしたのはWindowsのタブレット。
デザインも良く、タッチパネルで、おまけに衝撃的な安さだった。
だが、、
こいつは致命的に動きが遅い。
電源を入れて、しばらくはいい。
ところがしばらくすると極端に反応が返ってこなくなる。
まるで、糸の切れたマリオネットのように。
これには堪らず、お別れすることになった。
何事にも縁がなかったということはあるのだ。
そして、次に出会った相手は、MicrosoftのSurface3。
これは素晴らしかった。
意のままに反応するタッチパネル、薄くても丈夫でしっかりとタイピングを受け止めるキーボード。動きもキビキビ・・とまではいかないが、十分に使える本体性能。
そしてMVNOのSIMが使えてモバイルバッテリーでも充電できる!モバイル性能、最高だ!
やっと思い描いていた理想の相棒に巡り会えた。
心の底からそう思った。
そう、最初はそう思っていたのだ。
ところが、私はこの後、予想もつかない時の荒波に巻き込まれていくことになる。
この時点で、私はその事実に、まだ気づいていないのだった。
次回予告
動き出した時間の歯車は、Surface3という大きなターミナルでゆっくりと止まるかに見えた。
雪の舞う福井で静かに羽を畳むかに見えたちゃぼPに、突如猛烈な風が吹き付ける!
孤独な相棒探しの旅に風雲急を告げる!
次回、大波に翻弄されながらも、必死に抗うちゃぼPの姿に乞うご期待!!