華々しく(?)EOS 80Dのレビュー記事を昨日書いたわけだが、書いているうちに文字数が3,000文字をあっさり超えてしまい、とても一つの記事で収まらないと悟り、急遽記事を分けることにした。
というか、モノがモノだけに、簡単なレビューで済ませられるほど単純ではないので、コレばかりは許して欲しい。だってすげー魅力が詰まってるんだから!(笑)
というわけで前回は外観と、ほとんどオートで撮影できるモードの解説をしてみた。今回は「もうちょっとこだわって撮影したい!」という人のために、マニュアルモードの解説をしてみたい。
「マニュアルモード」で自由自在な撮影をしよう!
フイルム時代からずーとカメラに搭載されている撮影モードがある。それが「絞り優先モード」「シャッタースピード優先モード」「マニュアルモード」だ。
「背景をボカしたい場合」は、絞りを開放するし、逆に被写界深度の深い写真(背景までピントがあっている)を撮りたい場合は絞る。それぞれの場合において、絞りを手動で設定した状態でカメラが最適なシャッタースピードを設定するモードが「絞り優先モード」だ。キャノン機の場合は「Av」にセレクタを合わせると、絞り優先になる。
また、スポーツシーンでベストカットを止まった状態で撮影したい場合はシャッタースピードを早くするし、逆に「流し撮り」と言われる、被写体だけを静止させて背景をわざと流れるように撮影(カーレース撮影などでよくやる)する場合はシャッタースピードを敢えて遅くし、カメラを被写体に合わせて動かしながらシャッターを切ったりする。シャッタースピードを手動で変更して、絞りをカメラが自動で設定するモードが「シャッタースピード優先モード」。セレクタは「Tv」だ。
この両方を自分で設定して、その他ISO感度(数値が高いほど高感度だが画像が荒くなる)などと組み合わせて、より自分の望んだ画を撮りたい時には、やっぱり「マニュアルモード」が役に立つ。
最初はハードルが高く感じるかもしれないが、ある程度慣れてくればカメラがオートで設定してくれるのはちょっと「お節介」に感じてくることも多くなる。あえて適正露出ではなく、「暗く」「明るく」撮影したい場合も出てくるのだ。
そこでここではこの「マニュアルモード」での撮影を解説する。
シャッタースピードはシャッターボタン手前のダイヤルで変更
セレクタを「M」に合わせよう。
液晶に表示されている「500」という数字がシャッタースピードだ。「1/500秒」が現在のシャッタースピード。ここでシャッターボタンの手前にあるダイヤルを回す。
すると、数字が「800」に変わった。これで、シャッタスピードが「1/800秒」に変わった状態。当然ファインファーを覗きながらの操作もできるぞ!
絞りは親指位置のダイヤルで変更
続いて絞りの変更だ。これは親指位置のダイヤルで行う。
「F5.0」という表示が現在の絞りの値。コレを一段絞ってみる。親指でダイヤルを回すと・・・
「F5.6」に変わった。このカメラの操作性の良いところは、ファインダーを覗きながら、「人差し指でシャッタースピード、親指で絞り」を変更できるところだ。実に素晴らしい操作性!
シャッタースピード、絞り、ISO感度の組み合わせを理解しよう!
さて、写真を撮影するときにもっとも重要な要素である「シャッタースピードや絞り」。一般的に動きの早いものを撮影するときにはシャッタースピードを早くし、被写界深度の浅い(背景がボケる)画を撮りたいときは絞りを開放するものだが、撮影する場面ではなかなかそううまく条件が整ってくれない。
真夏の海の燦々と降り注ぐ太陽の光の下でなら、シャッタースピードは早くできるが、夕暮れ時や屋内での撮影時にシャッタースピードを早くすると、あっという間に露出不足になって暗い画像になってしまう。
そこで登場するのがISO感度。昔はASAとも言ったけど、どちらも元々はフィルム時代の規格で、デジタル時代に移行しても、わかりやすいようにこの規格を引き継いで使っている。
これは簡単に言うと、光に対してどれくらい感度があるかを示す値で、値が大きくなればなるほど暗い場所に強いということになる。
反面、高感度撮影は画像の粒子が荒くなってしまう欠点があって、明るい場所なら出来る限り低感度の設定で撮影することが望ましい。
試しに、マニュアルモードで「シャッタースピード0.3秒、絞りF5.0、ISO100」の設定で撮影してみた。2段目にあるインジケータ、コレが露出計で、真ん中の「0」のところにポイントが合っている。つまりこの状態が適正な露出であるということ。
シャッタースピードが「0.3秒」という遅い速度なので、三脚を使わないと手ブレが発生する。この写真も当然三脚使用。手持ちの場合や、被写体が動くものである場合は、このスピードでは全然足りない。
そこで、今度はシャッタースピードを「1/20秒」に早くしてみる。インジケータは「-3」近くになっている。すると・・・
全く露出不足で暗すぎ。これでは写真にならない。そこでISO感度を上げてみる。
「Q」ボタンを押すと、ISO感度を変更することが可能だ。
ここで、80Dの常用最高感度「16000」まで上げてみる。すると、シャッタースピードを「1/500」秒まで上げても、露出計のインジケータはセンターにポイントされた。
撮影した写真がコレ。1枚目の写真とほとんど同じ露出で撮影出来ている。「1/500」秒なら、通常の撮影でも充分なシャッタースピード。少々の動きがあってもブレることはない。
ただ、先ほども書いたように、画質にどうしても差が出てくる。
これは1枚目の写真を拡大したところ。ISO100なら、繊維の毛羽立ちや模様をはっきりと写すことが可能。
一方、ISO16000だと、繊維の状態は潰れてしまって映らない。なんとなくボケた感じになって、画質もザラッとした印象になる。
これが高感度撮影のデメリットだ。
このように、暗くなったら単に感度を上げて撮影すれば良いというわけではない。明るいレンズ、光源の位置や状態、被写体特性、三脚使用などで、カメラのセンサーに当たる光量をできるだけ稼いで、最終手段でISO感度を上げるという方法が、写真撮影の基本となる。是非撮影の際は覚えておいて欲しいぞ!
と、ここまで書いたらまた結構な分量になってきたので、続きはまた次回にしようと思う。次は私が撮影の際にメインで使う、「プログラムオート」の解説だ。お楽しみに!
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